2019年01月17日

塾長のカナダ武勇伝(?)―その4 語学研修Ⅲ-

カニイラスト(提供 イラストAC).jpg


みなさん,お元気ですか?
「生きる自分への自信を持たせる
鍛地頭-tanjito-」の副塾長,住本小夜子です。




今回も「塾長のカナダ武勇伝(?)」をお楽しみください。




↓これまでの記事は,こちらからどうぞ!!↓
【塾長のカナダ武勇伝(?)-その1 プロローグ-】
【塾長のカナダ武勇伝(?)-その2  語学研修Ⅰ-】
【塾長のカナダ武勇伝(?)-その3  語学研修Ⅱ-】




明日からのダイナミックな語学研修を前に,カニのようにブツブツとSurvival」を唱え続ける塾長。
そこは,バンクーバー島,ビクトリアの海が見える白いレストランでした…。








塾長:[Survivalか…,そうだよなあ…,Survivalだよ…,うん,Survivalだ,見知らぬ広大な街に,方向音痴で英語が話せないわしが,ひとり,投げ出されるんだぞ…単身で未開のジャングルをさまようようなもんだ…生きて帰られるのか!? 〔注:塾長! 大袈裟ですよ!〕…やっぱり,Survivalだよ,うん,Survivalだ! Survivalに違いない!]




塾長:…ぶつぶつ,ブツブツ…




おしゃれな白いレストランは,給仕もおしゃれでした。イケメンのウェイターたちが,ぞろりと揃い,中にはローラースケートを履いたイケメンもいます。そのローラースケートのイケメンウェイターは,普段,スケート技をちらっと披露しながら,テーブルにおいしい料理を運んでくれるのです。





右足の踵を付けて爪先を上げた,オレンジのタイヤが付いたグレーのローラースケート靴




塾長:[うん? そう言えば,あのローラースケートのイケメンウェイター,さっきから,ニコニコ,わしのことをじっと見とるわい。]




ローラースケートのイケメンウェイターは,料理が出される配膳口のカウンターに肩ひじを突きながら寄りかかり,長い右脚を前に組んで,スケートを履いた爪先を上げ,イケメンスマイルで塾長に熱い視線を送っているのです。




塾長:[そんなにわしのことが恰好ええんかのう。自慢じゃないが,日本じゃ,いっこもモテたことのないわしじゃが, さすがカナダじゃ!  同性に恰好ええと思われるということは,わしはほんまに恰好ええんじゃのう!〔注:おいっ!〕]




店内:ざわざわ,ザワザワ…ウォ~!




塾長:[なんじゃ!? 配膳口付近の客が小さな感嘆をもらしながら,ざわめいとる。ここからはよく見えんのう。]




店内:ザワザワ,ざわざわ,ザワザワ,ドウォ~!!




塾長:[な,な,なんじゃ!?]




塾長:[ウォ~,あのローラースケートのイケメン, 配膳口前で4回転しちょる! 羽生結弦と同じぐらいに回転が切れちょるで!!〔注:塾長! 時代が違いすぎま~す!!〕かっちょええ~!!]




塾長:[で,なんで,踊ってんの?]




塾長:[なんじゃ~!!! あのバカでかいカニは!?]




ローラースケートのイケメンウェイターの右手には,トレーから脚がはみ出てぶらさがった,赤い,大きな,大きなカニが,ギロリと塾長を見据えて居座っていたのでした。





大きなトレイに居座り,こちらをぎろりと睨みつける大きなカニ
注:写真の料理は本文中のレストランのものではありません。




塾長:[でけ~! カナダはなにカニとスケールが違うわい…いかん! スケールのでかい語学研修を思い出したわい! それにしても,あんなバカでかいカニ,誰が食べるんじゃ?]




店内:ウォ~,ウォ~,ピューピュー〔注:指笛の音〕




ローラースケートのイケメンウェイターはキレのある回転に,さらにキレを加え,テーブルの間を小気味よく,くるりんクルリンとすり抜けながら,とても楽しそうに給仕活動をこなそうとしています。




店内:ウォ~,ウォ~,ピューピュー




塾長:[あれを食べるのに何時間かかるんじゃろう? ひとりで食べるのか? まさか…どこのグループが頼んだんじゃ…? そんなグループは見当たらんぞ?]




ウェイター:さあ,どうぞ!!





大きなトレイから脚がはみ出た馬鹿でかいカニ
注:写真の料理は本文中のレストランのものではありません。




塾長:わしかー!!!




ウェイター:今日,僕は幸運です。このカニを運べたのですから。年に数杯しか出ませんからね。




店内:パチパチ,バチバチ〔注:拍手喝采〕




塾長:[な,な,なんてことだ! 確かにカニを頼んだが,こんなバカでかいのが来るとは思わんかったわい!! しかも,これって,スタンディングオベーションってやつか!? お客が立って拍手してるぞ! こっちに大挙して寄ってくる! 来るな~! わしは英語が話せんのんじゃ!]




ウェイター:お客様も喜んでおられます。応えてあげてください。




塾長:[来た~! だから,英語はムリって…〔注:顔面蒼白〕]




塾長はとっさに,中腰のまま,中途半端に立ち上がり,四方のお客様にぺこぺこ。敬礼した右手を遠慮気味に小刻みに振りながら,蚊の鳴くような声で,「Thank you…」を繰り返したのです。




温かい笑顔が塾長をぐるりと取り囲み,拍手は鳴りやみません。




塾長:[助けてくれ~,地獄じゃ~!]





両手で顔を覆い,大きな口を開け,嘆くゴリラ




塾長:[ふ~,ようやくお客が席にもどってくれたわい。それにしても,まだ多くのお客の注目を浴びとるなあ…。そうか,このバカでかいカニを食べるわしの雄姿を見たいんじゃなぁ。今度は恰好よくキメんといかんぞ! まずは,この脚から捥ぐとするか…えぃっ!]




塾長:痛て~え!




カニの硬い脚の棘は,見事に塾長の親指と人差し指を突き刺したのでした。ぷつんと赤い血の球が…。しかも,塾長は痛さのあまり,捥ぎ取ったカニの脚の一部を宙高く放り投げてしまったのです。赤いカニの脚の一部は,白いテーブルクロスの上をコロリンコロリン。




店内:Wow!! Ha! ha!




ウエイター:お客様,この「ハサミ」をお使いください。




塾長:[「ハサミ」? これって「ペンチ」じゃん!?]




副塾長:塾長のヒアリングのミスで「ハサミ」って聞こえたのかも?
塾長 :そんなことはないわい!!



塾長:[まあ,とにかく「ハサミ」だろうが,「ペンチ」だろうが,「スコップ」だろうが〔注:それはあり得ません〕,あるのならば,それを早く出してよ~!!]




ウェイター:よろしければ,これもどうぞ。




塾長:[それって,絆創膏じゃん!? 用意してたわけ~?? 〔注:そんなわけありません。〕]]




塾長:それにしても,この「ペンチ」を使って,どこから食べるんじゃ? ………とほほ,なんてこった…カニを食べるのでさえ,




「Survivalカニ~!!]




この白いレストランのカニ騒動は,明日から始まるダイナミックな語学研修のプロローグに過ぎなかったのです。




→つづく





馬鹿でかいカニ料理を前にして幸せそうに微笑むカップル
注:写真の料理及びカップルは
本文と全く関係がありません。



posted by tanjito at 22:25| 広島 ☀| Comment(0) | 塾長のカナダ武勇伝(?) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月20日

塾長のカナダ武勇伝(?)―その3 語学研修Ⅱ―

バンクーバーのグランビルアイランド(提供 photoAC).jpg


みなさん,こんにちは!!
「生きる自分への自信を持たせる
鍛地頭-tanjito-」の副塾長,住本小夜子です。




今回も前回に引き続いて,「塾長のカナダ武勇伝(?)」の続きをお楽しみください。
いよいよ語学研修の全貌が明らかになりますよ。




【塾長のカナダ武勇伝(?)―その2 語学研修Ⅰ―】 ←前回の記事
【塾長のカナダ武勇伝(?)―その1 プロローグ―】





ジャングルの鬱蒼と生い茂る緑の高木と下草








講師:「本日の研修はこれまでです。明日の語学研修について説明しておきます。」




副塾長注:勿論,これも本来は英語でした。



塾長:[あれっ,まだ今日の研修は終了していなかったのか…? ヒアリングができていないなあ…。って言うか,わからない授業を受けている児童生徒が,授業終了間際に上の空になっているのは,こんな状態なのかもね……もうちょっとだけ頑張ろう。カニ,そうじゃ,カニのためにわしは頑張るのじゃ!]




講師:「明日の語学研修はダイナミックに行います。グループをつくっていただいて,各グループに一枚の地図を渡します。そこには,特定の建物に印が付けてあります。お店とか公共の建物とか…。5~6箇所ですね。みなさんは制限時間内にすべての建物を回り,そこにいる受付の方とか担当の方とかから,その場を訪れた証拠となるスタンプを押してもらって,この研修会場に戻ってきてください。」




副塾長:塾長,よくヒアリングができましたよね。




ホテルのロビーで談笑するお客と佇むフロントの女性




塾長:[な,なに,なに~??? 要は,この見知らぬ異国の地に放り出されるのか? どこになにがあるかわからないし,道順さえもわからない街に飛び出し,道行く人や道端に立ち並ぶお店の店員さんなどに,建物の場所や道順を英語で訊ねろということか!  そりゃ,英語ができるチームメイトが一緒にいるならば,街の名物スポットをめぐる楽しい時間だろうよ。 でも,もし,そうでなかったら…。誰がチームメイトなんじゃ? …最近,親しくなった△△県の○○さん…いやいや,わしとふたりでドツボにはまる…。]





緑の高木が鬱蒼と生い茂るジャングルの中で,行く先を探す男性




塾長:[それにしても,街ぐるみの語学研修だぞ。スケールが違うわ! コンパスを英語に置き換えた壮大なオリエンテーリング! さすがBritish Columbia州! 日常生活のContext(文脈)の中に根付いた,まさに生きた語学研修! 官民一体! …。]





机上に置かれた蓋つきのアンティークな金色の方位磁石





目的地を丸で囲み,矢印で道順を示した街の地図




塾長:[待て待て,感心している場合じゃないぞ。わしの語学力も大いに問題じゃが,わしには他のチームメイトにはない最強の弱点がある。わしは「地図が読めない男」なんじゃ! そうよ,大の方向音痴なんよ! 総合病院に行って,入った入り口から一度も出たことがない。万一,チームメイトが建物を探すのに手分けをしようなんぞぬかしたら,わしは間違いなく行方不明になる。 …ああ,翌朝,地元の新聞に出るんだろうなあ。




「日本から派遣された高校教師,英語が話せずビクトリアで行方不明―研修場に戻らず―」




こんな見出しか?…]





英字新聞とその上に置かれた金色の「NEWS」のロゴ




塾長:[一体,この研修の目的はなんなんだ!? 街に繰り出した,ほんの数時間で英語が身に付くはずがない。もし,そうならば,みんなBritish Columbia州に来て,この研修を受ければいい。…わしはなにを考えているんじゃ…大分,気が動転しているわい。………。




そうだ,Survivalか!!




ああ,Survivalなんだ!!
2週間後にはホームステイをして,配属校での勤務が始まる。最低でも5~6時間はメインのテーチャー〔注:発音が悪い。〕として,エングリッシュ〔注:またまた発音が悪い。〕で授業をせんといかんのじゃ。恐らく,誰も助けてはくれぬ。そのためにもSurvival精神が必要なんじゃ…。]





真上から見下ろす地面の上に先だけ見えるSurvival靴とその爪先に記された白い文字「HOW TO SURVIVE」




研修が終わった後の白いレストラン。白いテーブルクロスの上には,きらめくグラスに白いワイン。銀のフォークとナイフを両手に掴んだまま,やがてテーブルに運ばれてくるであろう赤いカニを頭の片隅に留めながら,塾長はひたすら,まるで赤いカニが白い泡を吹くかのように,ぶつぶつ,ブツブツと「Survival」を繰り返すのでした。




→つづく



posted by tanjito at 18:06| 広島 ☔| Comment(0) | 塾長のカナダ武勇伝(?) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月19日

塾長のカナダ武勇伝(?)―その2 語学研修Ⅰ-



地球をバックに分厚い英語書籍の上で考え込むビジネスマン




みなさん,こんにちは!!
「生きる自分への自信を持たせる
鍛地頭-tanjito-」の副塾長,住本小夜子です。




今日のブログは,
【塾長のカナダ武勇伝(?)―その1―】のつづきです。








塾長:Please call me Masa.
講師:Math?
塾長:[なんで,よりにもよって,わしが大嫌いな「数学」になるんじゃ!?…そうか,わしの発音が悪いのか…]




バンクーバーアイランドの州都ビクトリアで始まった語学研修。
塾長はこれ以来,指導に当たったカナダ人講師から「Math(数学)」と呼ばれるようになります。





黒板に記された英語,「Answer」「WHAT?」「WHY?」「WHEN?」「WHERE?」「WHO?」「HOW?」




塾長:I have allergies for walnuts.(わたしはクルミにアレルギーがあります。)
講師:「『for』 ではなくて,『to』だよ。」




注:英訳ができないので,いきなり日本語にしちゃいました。「鍛地頭-tanjito-」の語学力が疑われる!?



塾長:[「for」だろうが「to」だろうが,そんなのどっちでもええわい! わしはクルミを食べると,ほんまにアレルギー症状が起きて大変なことになるんじゃ! 異郷の地で殉職ってことになる。今,school board(現地の教育委員会)の担当者がいる,この研修の場でクルミにアレルギーがあることを言っておかないと,2週間後には単身でホームステイをして,その上に単身で学校配属になるんじゃ。なんたって,わしの配属校はなぁ,Langley School District(ラングレー学区)にある「Walnut Grove Secondary School」だぞ! 「Walnut Grove」,つまり「クルミの林」じゃ!  死んじまうわ‼]




注:確かに塾長にはクルミに対する激しいアレルギーがあるのです。
  誤って食べてしまうと,40度を超える高熱,直径3㎝程度の全身に広がる蕁麻疹,嘔吐に下痢といった症状を引き起こすのです。




卓上のクルミとその上のガラス製の高坏に盛られたクルミ
クルミ





沢沿いに生えたクルミの木の新緑
クルミの森





ブリティッシュコロンビア州(カナダ)のラングレーにあるWalnut Grove Secondary School
Walnut Grove Secondary School




塾長:[ふう,なんとか今日の語学研修が終わったわい。ひやひやドキドキの研修を受けるのは辛いのう。児童生徒の気持ちがよ~くわかるわい。でも,これからは自由時間じゃ。この美しい街で,美味しいお酒と御馳走を頂くとするか。物価もどうやら日本の3分の1らしいから,無論,自腹を切るわけじゃが,日本で食べる3倍は呑んで食べてやるぞ。ひひひ。…そういえば,この間のベンチの近くに,白いおしゃれなレストランがあったなあ。「Crab」って看板にあったような……蟹か,蟹‼ 蟹じゃあ~‼]




塾長の波乱の語学研修は,実はこれからが本番なのです。
しかし,このとき,それを知る由もない塾長は,海沿いにある白いレストランで,白ワインに興じ,銀のフォークとナイフを掴んで,白い涎を垂れ流しながら,赤い蟹を美味しそうに頬張る自身の姿を,脳裏いっぱいに思い描いていたのでした。





アメリケーヌソースを添えたカニの大皿料理
注:写真の料理は本文中のレストランのものではありません。




→つづく



posted by tanjito at 18:12| 広島 ☁| Comment(0) | 塾長のカナダ武勇伝(?) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする